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不動産用語「む」


無権代理
(読み方:むけんだいり)

代理とは、「他人の行為の効果が本人に帰属する」という法制度である。この代理が成立する根拠は、本人と他人との間に、代理権を発生させるという合意(すなわち代理権授与行為)が存在することであるとするのが判例・通説である。

従って、代理人に代理権が存在しない場合や、代理人が代理権の範囲を超えて行動した場合には、その代理人の行為はもはや正当化することができないので、代理としての効果を失うことになる。その結果、その代理人の行為は、代理人自身のために行なった行為となり、代理人自身が全面的に責任を負うことになる。このような権限のない代理人の行為を「無権代理」と呼んでいる。

無権代理は、本人に対する関係では無効であるから、本来は本人に対して無権代理が何らかの効果を及ぼすことはありえないはずである。しかし民法では、取引の相手方を保護するために、次の2つの場合には、例外的に無権代理を本人に対する関係で有効にするという規定を設けている。

1) 本人による追認
無権代理による取引を、本人が後から追認した場合には、その取引は原則としてはじめから有効であったものとなる(民法第117条、第116条)。本来は無効な行為を、本人の意思により有効にすることができるという規定である。
なおこの場合、取引の相手方は本人に追認を催告すること等ができる。

2) 表見代理
無権代理による取引の相手方が、無権代理人を真実の代理人だと誤信したことについて、何らかの正当な事情があった場合には、その取引を有効なものとすることができる。この制度を表見代理という。

Aが、B所有のある不動産を買いたいと考えているところへ、Cが現れて、Bの代理を名乗り、信じたAはCと売買契約を結んだ。しかし、CはAの本当の代理人ではなかったという場合、このCの行為は無権代理となり、AとBの間では無効となる。このようなケースは意外と多いという。
代理権を主張する人間には委任状と印鑑証明の提示を求めるようにしたい。それでも、無権代理人が本人の親族で印鑑などを勝手に持ち出せる場合もあるので、やはり電話などで代理人のことを本人に確かめたほうがいい。

なお、上記のケースの場合、AはCに対して、売買契約の履行か、損害賠償の請求を求めることができる。

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