不動産用語「し」


シックハウス症候群
(読み方:しっくはうすしょうこうぐん)

建材および家具から放散されるVOC(揮発性有機化合物)などの化学物質の影響により引き起こされる目の痛み、頭痛、吐き気などの健康被害や、室内のダニ・カビ等によるアレルギーなどの健康被害を総称して「シックハウス症候群」と呼んでいる。欧米では「シックビル症候群」(sickbuilding syndrome)と呼ばれている。

日本では平成7年頃からシックハウス症候群という言葉が使用されるようになり、平成9年には厚生省(現厚生労働省)が実態調査を行なった。平成11年には「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)において、シックハウスに関係する住宅性能評価を行なうことが決定された。

平成12年7月には、品確法にもとづく建設省(現・国土交通省)の性能表示基準(日本住宅性能表示基準)において、「空気環境に関する表示」として建材に含まれるVOCのひとつであるホルムアルデヒドの放散の程度を4等級に分けて表示することが規定された。これがシックハウス症候群に対するわが国初の法的規制であった(ただし住宅性能評価は購入者等が任意で実施するものであり、法的強制力はない)。

さらに平成14年7月12日にはシックハウス症候群の防止を目的として建築基準法が改正・公布され、次の条文が新設された。
「第28条の2:居室を有する建築物は、その居室内において政令で定める化学物質の発散による衛生上の支障がないよう、建築材料及び換気設備について政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。」

この建築基準法第28条の2にもとづき、遅くとも平成15年7月12日までに次のような内容の建築基準法施行令が施行されることが予定されている。

1) 有機リン系防蟻剤で木造住宅の床下等に使用される「クロルピリホス」を建材に使用することを禁止する。
2) 気体状の有機化合物で木質建材等に使用される「ホルムアルデヒド」は、発散量に関する等級区分に応じて、建材の使用面積を制限する。
3) マンションなど気密性の高い住宅では、ホルムアルデヒドを発散するおそれのある建築材料を使用しない住宅等であっても、家具からの発散があるため、原則として常時換気が可能な構造の機械換気設備等の設置を義務付ける。

[関連ワード]ホルムアルデヒド
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