シーズン真っ最中「いも煮会」トリビア
河川敷に大きな石で組んだカマドや焚火台。スーパーが貸し出す大きな鍋には、里芋を主役に肉や大根ゴボウ人参などの根菜とコンニャク長ネギ、味付けは味噌や醤油、日本酒。広く東北一帯で秋の風物詩となっている「芋煮会」。その本場とも言うべき、山形のお話です。
記憶をひも解くと福島市でも50数年前から開かれていた芋煮会。家族だけの、ほのぼのとした食事会といった風情でした。盛んになってきたのは30年ぐらい前でしょうか。
さて、現在の福島市内の芋煮会のメッカと言えば荒川の水林公園や荒川・桜づつみ公園。ピーク時には見渡す限り、ざっと100組ほどのグループ。そして例外なく芋煮と合わせて焼いているのがバーベキュー。芋煮は実は焚火の炎で煮るのではなく、どちらかというと「おき火」でコトコト煮込む料理なのに、BBQの煙がモクモクという景色。肉が焦げる香りも立ち込めます。家族連れというよりは職場や学生など若者のグループ。なかにはタープを張り、音楽を流すなど賑やかでフェスっぽい雰囲気です。今どきは香ばしい匂いに熊が引き寄せられないかも心配……。
ところが実は、山形ではBBQはご法度。芋煮しか食べないんです。そういう風に小学校から教わるんだそうです。せいぜい、おにぎりと味変のカレーうどん。仲間との親睦を愉しむ和やかな雰囲気。福島の芋煮はいつから変かわってしまったのだろう。では、また。