正常性バイアスってご存じ?
世の中にウイルス疾患が流行っていても「自分だけは大丈夫」と思ったり、人気店の予約をしようとしても「そんなに皆が知ってるワケでもないし」とタカをくくっていたら2ヵ月先まで満席だった、というハナシ。
ここ、アパートマンションの賃貸をお世話する不動産店のカウンターでも、正常性バイアスの魔術にかかってしまうお客様がいらっしゃいます。
それは、ご内覧での会話。「ここの部屋、気に入ったので契約したいです」「ありがとうございます」「あさっての日曜日からで大丈夫ですか？」「えっ……と、その日程はちょっとムリですね」「えーっ!? なんでェ?空いてるんでしょ」………
ここで改めて、賃貸契約の一般的な段取り・流れをご紹介してみます。まず①.契約の前に「申込書」に記入していただき入居審査を行います。審査は家主・保証会社・仲介会社の3者が行います。その審査結果が出るまで２日～５日間を要します。無事、審査がパス(承認)されれば、②.契約書一式と保証会社書類、保険手続き書類を作成します。まぁまぁ時間、かかります。③.それと同時に、空室だった部屋のクリーニングを専門業者に発注します。何か不具合を発見したら電気工事業者や内装屋さんに修繕を発注。④.こちらからはお客様あてに契約金見積書兼請求書とともに②の書類を送ります。⑤.クリーニングや修繕が終わったら担当者が直接、部屋に行きキレイになっていることを確認します。「入居前チェック」です。⑥.届いた書類にご記入、押印していただき弊社あてに返送、契約日前日までに契約金を振り込んでいただきます。⑦.お振込金額が確認出来たら、契約日当日に弊社に来ていただき、契約内容について宅建士という国家資格を持った者が説明をします。「重要事項説明」です。それが済んだら、やっと部屋のカギをお渡し。お部屋でカギをお渡しするのではないんです。
どうでしょうか。内覧で気に入ったら、３日後には住み始められるかも。それが正常性バイアス。正常性バイアスは、心理的なストレス軽減として人を守ってくれる良い効果をもたらします。でも世の中、そうそう思った通りにはサクサク進まないものですよね。では、また。