古き悪い時代の昔話
昔、といっても30年ぐらい前の平成初期のことです。当時のオフィスのコピー機は今のように高性能ではなく、原本からコピーではなしにコピーしたものからまたコピー、つまり繰り返しコピーすると、例えば正方形が平行四辺形みたいに少しずつ歪んできたものでした。
生物は細胞分裂(コピー)を繰り返すと、細胞核にある染色体を形作るDNAの端っこを保護する部品が正確にコピーされずに、少しずつ短くなることが知られています。しまいに細胞の分裂自体が阻害され、細胞の老化が始まるのです。DNAの端っこにあるものをテロメアと呼び、細胞分裂をサポートすることから命の回数券と言われたりするそうです。
3,000グラムで生まれてきて、ミルクやご飯をパクパク、やがて見上げるような成人に成長。知識や技能を身に着け、世界中の観客が熱狂する大リーガーに。でもいつかはテロメアが短くなり、穏やかな余生を送る日が来る。テロメアを永らえるには、まず栄養、そして運動、さらに安心できる環境での十分な睡眠が必要なんですね。
それらが整ってきたからこそ、ヒトの寿命は延び続けてきました。いつ外敵が襲ってくるか知れない巣では動物は深い眠りにつけません。栄養が足りて(お腹いっぱい)、安心できる寝床。でも運動不足では長生きはできません。運動かァ、運動ね~。では、また。