熊肉の向こうにナマハゲが見えたか

ところ変われば品変わる、その2でございます。

秋田でステキなものを味わってきました。名産の数々、伝統の味。ホント、当地ではお目にかかれない不思議な食文化を体験できました。

まず「まま寿司」。もち米に塩漬け紫蘇の葉やコハゼ(ブルーベリー系の実)と酢や砂糖、生姜を入れて蒸し、半発酵させた酸味のある甘じょっばい味わいのおこわ。なんだか懐かしい味で好きです。次いで生ジュンサイ。当地で売っている瓶詰のは水煮ばかりだったので茹でて鮮やかな緑色になる姿や鮮烈な歯応えに驚く。さらに、諸越。小豆の微粉末と砂糖を合わせて突き固めた小さな菓子。カリッと砕いた瞬間、口腔に広がる香りに衝撃。かといって次々と食べたくなるというより、思い出したように1時間にひとつ食べたくなる感じ。加えて「ぼだっこ」。これは限界までがっちり塩漬けした鮭の切身のこと。白飯パックに指爪サイズの焼いたヤツがポツンとひと切れだけの「ぼだっこ飯弁当」150円。そのぐらい白飯がすすむというシャレのような実話です。

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最後は熊肉の缶詰。写真のサイズで250グラム入り、2,700円。買って食べました。原料は秋田県は田沢湖町、玉川地区で捕獲されたツキノワグマだそうです。長時間、赤ワインで煮込んであると説明書きの通り、臭さはほとんど感じない。ほろほろと崩れる身に、やはり少し芯のある歯応え。クジラの大和煮のような味わいでこっくりとした脂身の甘みが長く残る。ほんと、かすかに、300メートルぐらい向こうに熊獣がチラリと後味、小さく吠える。ガオッ。

飲食店で出されたモノ、農産物直売店で購入したモノ、スーパーマーケットで買ったモノ。モノは試しの食文化探検ツアー。土産品店だけではモノ足りない。それでは、また。