熊の秘密、杉の秘密。
本来、日本の山々には広葉樹が多く、建材として重宝される杉はそれほど多くありませんでした。何故なら、実生(種が発芽して自生すること)には、葉がその名の通り針のように細くて、自然界ではブナやコナラたち広葉樹に光合成の競争に負けてしまうからです。
そこで行われたのが杉の植樹。古くは室町時代に始まったそうですが全国で本格的に広まったのは1950年代。現在は日本の森林面積の4割まで増えています。そう、広葉樹の森を伐採して杉が植林されてきたのです。

実を付ける広葉樹が奥山から姿を消して困るのはクマをはじめとする野生動物たち。でも親子連れで里へ出てくる彼らをみると、子を持ち繁殖するほどにはエサは見つけられているということになる。では問題はエサ不足ではないのか。好奇心の発達した突然変異個体が増殖しているのか。ドングリがなければ杉の樹皮を剥いで甘い樹液をなめる(クマ剥ぎ)。どんな環境でも生き延びる。解明されていない秘密の習性。
杉の学名はクリプトメリア・ジャポニカ。日本の秘宝、という意味です。では、また。