牛乳にまつわる街のマユツバ
「牛乳を飲むと体内のカルシウム量が減る」、「牛乳のカルシウムは消化されにくい」――コレ、聞いたことありますよね。それ、マユツバです。というより、全くの嘘。
本来、カルシウムは吸収されにくい栄養素だそうですが、カゼインというカルシウム吸収を助けるタンパク質が豊富な牛乳はカルシウム吸収率40%と、小魚の33%や野菜19%に比べて高いんです。さらに牛乳に含まれるナトリウムの作用で、骨からカルシウムが溶け出すというのも噓。コップ1杯の牛乳に含まれるナトリウムは80mg程度に対して補うカルシウムの含有量は3倍近い220mg。どう考えても溶け出しません。WHOでも「カルシウムの最良の補給源は牛乳」としています。しかし腸内での吸収には、日光を受ける屋外活動などで生成されるビタミンDが促進剤として必要なことは周知の通り。
冒頭のマユツバは、そもそも著名な某S医師が6年ほど前に出した著作が発端らしい。牛乳の業界団体から公開質問状が突き付けられた問題作。偽計業務妨害罪もののメーワク作だったわけです。では、また。